LUT の入力色空間とは?
LUT を当てたら白っぽく眠い映像になった、あるいは黒がつぶれて色がどぎつくなった。たいていの場合、LUT 自体に問題はなく、想定と違う種類の映像が入力されているのが原因です。
LUT は表であって、素材を理解するフィルターではない
3D LUT(多くは .cube ファイル)はルックアップテーブルです。入力される RGB 値ごとに出力の RGB 値を記録しています。入ってくる数値が Apple Log の iPhone なのか、D-Log M の DJI カメラなのか、普通の動画なのかは知りません。特定の入力を前提にしているだけで、その前提が入力色空間です。トーンカーブ(明るさのエンコード)と色域(色がどの原色を指すか)の組み合わせです。
素材がその前提と一致していれば、LUT は作者の意図どおりに働きます。一致しなければ、すべての値が表の間違った位置を引くことになります。
よく出会う 3 種類の LUT
| 想定する入力 | よくある名前 | 役割 | |
|---|---|---|---|
| 変換(テクニカル)LUT | 特定の Log | 「Apple Log to Rec.709」「D-Log M to Rec.709」 | Log 素材を通常のコントラストの Rec.709 にします。カメラメーカーが公開しています。 |
| Log 用ルック LUT | 特定の Log | 「Apple Log シネマティック」「D-Log M 用」 | 変換とクリエイティブなルックを 1 枚にまとめたもの。 |
| クリエイティブ LUT | Rec.709 | フィルムエミュレーション、ティール&オレンジ、多くの無料 LUT パック | すでに通常の Rec.709 になっている映像の雰囲気を変えます。 |
ミスマッチするとどう見えるか
- Rec.709 のクリエイティブ LUT を Log 素材に:フラットでグレーなまま、色が付くだけ。LUT が想定するコントラストが届いていません。
- Log 用 LUT を普通の動画に:コントラストが強すぎ、シャドウがつぶれ、ハイライトが飛び、彩度が過剰に。すでにコントラストのある映像にもう一度コントラストカーブをかけているためです。
- 別の Log 用の LUT:たとえば Apple Log 用の LUT を D-Log M に当てると、カーブも色域も違うので明るさも色もずれます。Apple Log と Apple Log 2 でさえ、カーブは同じでも色域が違うため色がずれます(Apple Log 2 のグレーディングを参照)。
LUT が想定する入力の見分け方
- 名前と説明を読む。「X to Rec.709」なら入力は X です。「Apple Log 用」として売られている LUT パックは Apple Log 素材を想定しています。
- 適正露出の素材で試す。Log 素材を自然な見た目にする LUT は Log 入力、すでに自然に見える映像でだけきれいに見える LUT は Rec.709 入力です。
- 迷ったら Rec.709 と考える。クリエイティブ LUT の多くは Rec.709 向けで、先に Log を変換するほうが安全な順番です。
Log 素材の正しい順番
DaVinci Resolve のカラリストは、変換とクリエイティブなルックを分け、調整をその下に置きます。
- Log 素材
- 露出、ホワイトバランス、コントラスト、カラーホイール(LUT の下で調整)
- カメラメーカーの LUT で Rec.709 に変換
- クリエイティブなルック(Rec.709 の LUT)を好みの強度で
- カーブ、セカンダリ、質感

顕影で .cube LUT を読み込む
顕影は LUT を読み込むときに入力色空間をたずね、処理チェーンの正しい位置に配置します。
- エディタでルックのフィルムストリップを最後までスクロールし、「LUTを読み込む」(Pro)をタップ。
.cube形式の 3D LUT を選び、名前を付けます。 - 「このLUTが想定する入力」で選びます。
- Rec.709:一般的なクリエイティブ LUT 向け。Log 素材はまず「ナチュラル」(カメラメーカーの公式 LUT)で変換してから適用し、通常の動画にはそのまま適用します。
- Apple Log:「Apple Log to Rec.709」や Apple Log 用ルックパックなど、Log を直接受け取る LUT 向け。Log 素材でのみ表示されます。Apple Log 2 や D-Log M などほかの Log フォーマットは先に等価な Apple Log に変換されるので、LUT には想定どおりの入力が届きます。
- フィルムストリップでその LUT を選び、強度を調整します。あなたの調整はその下で引き続き効きます。
自分のルックとして保存。仕上がったら「スタイルとして保存」(Pro)でフィルムストリップに追加できます。保存したルックは Log 素材にも通常の動画にも使えます。
よくある質問
LUT のサイズ(33 か 65 か)は関係ありますか?
大きい表ほど格子点の間でも元の変換に忠実ですが、よくできた 33 点の LUT ならたいていのルックには十分です。顕影はあなたの LUT、変換、調整を 1 枚の表にまとめ、ピクセルごとに一度だけ参照し、途中は 16-bit 精度を保ちます。
別のカメラの Log 用 LUT は使えますか?
素材をそのカメラの Log に変換しない限り使えません。どの LUT を選ぶかより、入力色空間を合わせることのほうが大切です。
対応している LUT の形式は?
.cube 形式の 3D LUT です。