Log の露出とホワイトバランスの決め方
Log はグレーディングの自由度が大きい一方で、その自由度は撮り方から始まります。露出とホワイトバランスが決まっていれば、スマホでのグレーディングは数分。外していれば、どんなツールでも救える範囲は限られます。
露出:暗めではなく適正に
Log はもともとグレーに見えるので、白飛びを恐れて露出を下げがちです。結果は露出不足。明るく持ち上げるとき暗部のノイズも一緒に増え、濁った映像になります。
- まず被写体を適正に。顔やメインの被写体の明るさは、画面全体より大切です。
- 画面ではなくツールで判断。グレーなプレビューでは目で明るさを判断しにくいので、ヒストグラム、ゼブラ、フォルスカラー(Blackmagic Camera アプリにあります)を使います。
- ハイライトは守る、ただしほどほどに。街灯や空の一部が少し飛ぶのは許容範囲。露出不足の被写体のほうがずっと直しにくいです。
- 撮影中に露出を動かさない。オート露出は歩いたり振り向いたりするたびに明るさが変わり、後で揃えにくくなります。iPhone のカメラでは画面を長押しすると露出とフォーカスをロックできます。DJI のカメラはプロモードで手動設定します。
ホワイトバランス:固定する
オートホワイトバランスは光に合わせてショットの途中で暖かくなったり冷たくなったりし、一つの補正では直せません。Log では色温度を手動で固定しましょう。
- 日中は 5600K 前後、暖色の室内灯は 3200K 前後がよくある出発点です。迷ったら白い壁や紙で合わせます。
- 同じシーンのショットは同じ色温度にすると、後で揃えやすくなります。
少し外しても大丈夫。ホワイトバランスは Log で最も直しやすい部分です。顕影は DJI カメラと Blackmagic Camera アプリが記録した撮影時の色温度を読み取り、そのケルビン値から色温度スライダーが始まります。iPhone 標準のカメラは記録しないため、スライダーは相対値を表示します。ニュートラルなはずの部分をスポイトでタップするか、自動も使えます。
ほかの習慣
- 必ず 10-bit で記録。Log は数値が詰まっているので、8-bit ではグレーディングでバンディングが出やすくなります。
- シャッターはフレームレートの約 2 倍。30fps なら 1/60 で自然なモーションブラーに。明るすぎるときはシャッターを上げずに ND フィルターを。
- 元ファイルを転送。AirDrop、DJI Mimo、カードリーダーで元ファイルを写真に保存し、メッセージアプリ経由など再圧縮される方法は避けます。
- リファレンスを撮る。シーンが変わったら、白やグレー、人の顔が入った数秒を撮っておくと、後でスポイトで合わせやすくなります。
スマホに戻ったら
顕影で「ナチュラル」(カメラメーカーの公式 LUT)で復元 → ホワイトバランスを補正 → 露出を調整(リニア光の中で段数単位、カメラで 1 段変えるのと同じ)→ ルックを選ぶ。詳しい流れはD-Log M をスマホでカラグレとApple Log 2 のカラーグレーディングへ。
よくある質問
Log は少し露出オーバーで撮るべき?
暗部ノイズを減らすためにやや明るめに撮る(「右に寄せる」)手法はよく使われますが、ハイライトが飛ばないことが前提で、ヒストグラムやゼブラでの確認が必要です。自信がなければ適正露出が安全です。
ホワイトバランスを間違えたら直せますか?
Log のホワイトバランスはグレーディングで大きく補正できます。難しいのはショットの途中で変わってしまうこと。だから「正確さ」より「固定」が大切です。