iPhone の Log グレーディングアプリの選び方
App Store には「Log に LUT を当てられる」アプリがたくさんあります。汎用の動画編集アプリから専用のグレーディングツールまで。機能一覧は似ていても、差がつくのは次の細かい点です。自分の素材で一つずつ試せば、すぐにわかります。
1. 自分の Log フォーマットに対応し、認識できる
Apple Log、Apple Log 2、D-Log M、D-Log はカーブか色域が異なります。よいツールはファイルのタグやカメラのメタデータからフォーマットを判別し、間違っていれば手動で直せます。「Log 対応」だけでは不十分で、どのフォーマットかを確認しましょう。
2. カメラメーカーの公式復元 LUT を、機種別に使う
Apple と DJI は公式の Log to Rec.709 LUT を公開しており、DJI はカメラの世代ごとにテーブルが違います。公式テーブルから始めれば、メーカーが設計した映像になります。汎用のテーブルや、DJI 全機種で一つのテーブルでは色がずれます。
3. LUT が想定する入力をたずねる
購入・ダウンロードした LUT は、Log 入力か Rec.709 入力のどちらかです。ツールがそれを指定させ、正しい位置に置かないと、LUT を当てると色がおかしい問題が起きます。Apple Log 用の LUT を Apple Log 2 に正しく使えるかも確認しましょう。
4. 調整が LUT の下にある
プロのグレーディングでは、露出とホワイトバランスを LUT の前で調整します(「LUT の下で調整」)。+1 段はカメラで 1 段開けるのと同じで、ハイライトは LUT がやわらかく収めます。調整を LUT の後にしか重ねられないアプリでは、同じ操作でもハイライトが飛び、黒が浮きやすくなります。
5. 最初から最後まで 10-bit
読み込みで 8-bit に変換されない、処理はより高い精度、10-bit HEVC で書き出せる。どこか一か所でも 8-bit になると、空や壁にバンディングが出ることがあります。
6. HDR の扱い
HDR(HLG)で書き出せるか。HDR 版は別にグレーディングするのか、SDR のグレーディングから自動で作られるのか。Log のデフォルトはどちらか。HDR 非対応の場所で白っぽくならないか。HDR と SDR、どちらで書き出す?を参照。
7. 料金と、無料でどこまでできるか
買い切り、サブスクリプション、機能ごとの解放などさまざまです。大事なのは、無料版で「復元 → 基本調整 → 10-bit 書き出し」という基本の流れが完結するか、それとも書き出しや公式 LUT まで有料なのかです。
顕影の場合
| 基準 | 顕影 |
|---|---|
| フォーマット | Apple Log、Apple Log 2、D-Log M、D-Log、D-Log2、HLG、Rec.709。ファイルのタグと DJI メタデータで自動判別、手動変更も可 |
| 公式の復元 | 「ナチュラル」は Apple と DJI の公式 LUT を使い、DJI は機種に合ったテーブルを選択 |
| LUT の読み込み | 読み込み時に入力(Rec.709 か Apple Log)を選択。ほかの Log フォーマットは先に等価な Apple Log に変換(Pro) |
| 調整の位置 | 露出、ホワイトバランス、コントラスト、カラーホイールはルックの前にリニア光で段数単位。カーブ、セカンダリ、質感は後 |
| 精度 | 写真から元ファイルを読み込み、16-bit で処理、HEVC 10-bit で書き出し |
| HDR | HLG で書き出し可能。HDR は SDR のグレーディングに沿う。Log はデフォルト SDR |
| 無料 | 復元、プライマリ、公式ルック、10-bit SDR / HDR 書き出し、Live Photos は無料。Pro でセカンダリ、質感、LUT 読み込み、AI グレード |
最後に:自分の素材で試す
明暗差があり、人の顔と空が入った Log クリップを用意し、それぞれのアプリで「復元 → ホワイトバランス → 露出 +1 段 → 書き出し」を試して、肌、ハイライト、空のグラデーションを比べましょう。どのアプリが使いやすいか、10 分でわかります。