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Log とは?なぜグレーに見えるのか

iPhone で Apple Log、DJI で D-Log M を初めて撮ると、映像はグレーでフラット、色が抜けたように見えます。失敗ではありません。Log はそのまま見るためのものではなく、まだ「現像」していないネガのようなものです。

D-Log M の元映像:グレーでフラット、彩度が低い
撮って出しの D-Log M。フラットなのが正常です。

普通の動画と Log 動画の違い

普通の動画(Rec.709、または iPhone 標準の HDR)は、撮影時にカメラの中でコントラスト、彩度、ハイライトの圧縮を済ませているので、そのまま見られます。その代わり多くの情報がカメラ内で捨てられます。明るい空は真っ白に、暗部は真っ黒に、色も固定されます。

Log は逆です。暗部から明るいハイライトまでの広い明るさの範囲を、対数(log)カーブで限られた数値に詰め込み、露出の 1 段ごとにほぼ同じだけの数値を割り当てます。ハイライトは早めに飛ばず、暗部の階調も残り、判断はグレーディングに持ち越されます。

その代償がグレーな見た目です。黒は締まらず、白は伸びず、彩度も低い。画面は普通の動画のカーブで表示するのに、Log は別のカーブを使っているからです。

なぜ 10-bit が必要か

Log は広い明るさの範囲を数値に広げるので、1 段あたりの数値が少なくなります。グレーディングでコントラストを戻すと、その数値を引き伸ばすことになります。8-bit(1 チャンネル 256 段階)では空や壁のようななめらかなグラデーションに段差(バンディング)が出やすく、10-bit(1,024 段階)なら余裕があります。だから Log は 10-bit で記録され、読み込み、グレーディング、書き出しまで 10-bit を保つ必要があります。

グレーの映像を自然な映像に戻すには

Log を自然な映像に戻すには、その Log フォーマットに合った変換が必要です。Log のカーブと色域を、表示用の Rec.709 に変換します。カメラメーカーは公式の変換 LUT を公開しています。Apple の「Apple Log to Rec.709」、DJI の「D-Log M to Rec.709」などです。

Log フォーマットは互換ではありません。Apple Log、Apple Log 2、D-Log M、D-Log はカーブか色域が異なり、間違った変換では明るさも色もずれます(LUT の入力色空間とはを参照)。

顕影ではこのステップが自動です。

  1. 「新規プロジェクト」をタップし、写真から動画を選びます。アプリはファイルのタグと DJI のメタデータから Log フォーマットを判別します。
  2. 「ナチュラル」がそのフォーマットの公式 LUT(DJI は機種に合ったテーブル)を適用し、映像は自然なコントラストと色に戻ります。
  3. フィルムルックを選ぶか、ルックの下で露出、ホワイトバランス、コントラストを調整し、10-bit の SDR または HDR で書き出します。

Log で撮るべき場面

よくある質問

Log 動画を SNS に上げるとグレーなのはなぜ?

変換していない元映像を投稿しているからです。プラットフォームは Log だと知らないので普通の動画として表示します。変換とグレーディングをしてから書き出しましょう。

HDR 動画と Log 動画は同じ?

違います。HDR(iPhone 標準の HLG など)は HDR 画面でそのまま見る完成形のフォーマット、Log はグレーディング用の中間フォーマットです。Log をグレーディングした後、SDR でも HDR でも書き出せます。

スマホで Log をきちんとグレーディングできますか?

できます。顕影は iPhone・iPad の GPU で 4K の Log をリアルタイムにプレビューし、16-bit 精度で処理して HEVC 10-bit で書き出します。復元、プライマリ、公式ルック、書き出しは無料です。